私が学校を卒業して就職した会社は歩合給のつく会社でした。そのため、当時でもそこそこの給料をもらっていました。また、会社の寮で暮らしていたので家賃はたったの一万円、光熱費も払わなくてよいという好条件で生活をしていたので、給料のほとんどを遊びに使うことができました。仕事も楽しかったし、歩合がつくということで何よりもやりがいを感じていました。
しかし、何年か勤めたころ、実家の父が病気で倒れて実家に戻らなくてはいけなくなってしまいまいた。続けていくことも難しくはなかったのですが、やはり通勤時間がネックとなり、退職することにしました。家賃も安く光熱費もかかっていない生活をしていたので、貯金はそれなりにありましたのから、転職先は時間をかけて決めることにしました。父が病気で倒れたわけですが、家には母もいますし看病を私がしなくてはいけないというわけではありませんでした。ただ、私がいることで母の精神的な不安などがましになればいいなと思いましたし、母や父の方でも私が家に帰ってくることを望んでいました。
転職先を探すにあたって、一番の悩みは収入面に関してでした。実家ですから、家賃や光熱費を払う必要はありませんが、やはり食事に関しては親に作ってもらうわけですからいくらかの生活費を家に入れる必要がありますし、父の治療に関してもお金がかかることがあるかもしれません。それに、再就職でこれまでの収入と比べて減ってしまうということが我慢できませんでした。